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被災地に寄せて


私がイタリアで折り紙による東日本大震災被災者の支援活動を思い立ったのは、ミラノで個人的に開催した被災者支援チャリティーイベントで幼い頃、祖母に教わった折り紙の作品を展示したことがきっかけでした。
小規模な展示ではありましたが、多くの方に評価して頂き、展示品は完売し、注文も頂きました。
これからも折り紙で被災者を支援していけないかと考え、本格的な創作活動を開始しました。

私自身、震災のあ った2011年3月11日は日本に一時帰国中でした。
毎日のようにテレビのニュースで放映される津波による壮絶な被害の映像も衝撃的でしたが、何よりも私が心を打たれたのは、想像を絶するような過酷な状況の中で、不平を言わず、助け合いながら懸命に生きる被災地の人達の姿でした。

全ての物資が不足する避難所で、自らも被災しながら、高齢者や幼い子供の世話をする高校生達、 人道支援にあたる米軍に感謝の気持ちを込めて海岸に木を並べて作られた『ARIGATO』のメッセージ、地震直後、中学校の生徒達が近くの小学校に駆けつけ、生徒達が手に手を取り合って避難し、570人の小中学生が奇跡的に助かった岩手県宮子町の感動的なエピソード、そして、自らの生命を危険に晒しながら懸命に作業を続ける福島原発の作業員の人達・・・
極限の状況の中でも思いやりといたわりの心を忘れなかった被災地の人達にどれほど勇気と感動をもらったか分かりません。

イタリアに戻ってからも被災地の人達の姿が頭から離れず、何か自分に出来る事はないかとずっと考えていました。

微力ではありますが、祖母から受け継いだ折り紙で地道な支援活動を続けていければと思っています。

清水みのり

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